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イヤイヤ期でイライラ!怒鳴ったり、うざいと思ってしまった時の対処法

魔の2歳児「イヤイヤ期」

あれがイヤ、これがイヤ、何をしてもイヤ!

突然はじまるイヤイヤ期は、何をしてもダメなことも多く、パパママも一緒になって疲れますよね。少し前までおんぶにだっこだったわが子が、突然自己主張しはじめるので戸惑うのも無理ないです。

今回は、イヤイヤ期の子どもの対処法ではなく、イヤイヤ期の子どもについイライラしてしまうパパママの対処法になります。

 

「イヤイヤ」に親が爆発しそうな時

子どもがイヤイヤした時の対処法でメジャーなのは、「イヤだよね、〇〇したかったんだよね」と子どもの気持ちを受け止めてから「じゃあ次はああしてみようか」と代替案を提案することなのですが…。

そもそも、イヤイヤと言われた時点で頭にカーッと血が上りそうな感覚になることありませんか?

つい「イヤじゃない」と子どもの気持ちを否定してしまったり、スルーしてしまったり…。

私はこの傾向があり、理性で受け止めるような言葉は言うのですが、頭の中で(あ~またこうなの?もうヤダ疲れた…)とちぐはぐな本音と建前のような状況になっていました。子どももなんとなくそんな親を察して、逆にキーキー泣き叫ぶなど悪循環が続いてしまいます。

 

親がイヤイヤしたくなる

子どもを産んだからこそきちんと育てたい。現代のパパママは、人一倍そんな気持ちがあるのではないかと思います。

でも親も人間ですし、そもそも育児って学ぶ機会がないので、初めからうまくいくことの方が少ないです。

「子どものイヤイヤを受け入れられないなんて…」と自己嫌悪になることもありましたが、街中で「イヤイヤ」してる子どもと「イヤじゃない!」とイヤを否定してしまう親の姿ってそこまで珍しくないですよね。私だけじゃなく、多くの人が悩んでいる問題だと気づきました。

一方で、イヤイヤを受け入れるのが上手な親もいます。なぜ?

イヤイヤを思わず拒否してしまうか、受け入れられるか。この違いはイヤイヤ期の対処法を知ってるかどうかより、もっと本質的な問題のように感じました。

この原因がわかれば、何か対処法があるんじゃないかと思い、読めるときに育児や心理学の本などで答えを探していました。

児童心理学や親子関係に詳しい、大河原美以先生の書籍です。こちらの本を読んで、そういうことかと腑に落ちました。とても読みやすく、説教ベースではない優しい文章なのでおすすめです。

以下、自分なりにですがまとめてみます。

 

育児は防衛本能が働きやすい

そもそも、育児って学習する機会もなくいきなり実践ではじまります。仕事であれば講習やOJTを経て実践ですが、育児にはそれがありません。

出産・育児は生命の根幹にかかわる本能的な営みともいえます。なので、経験や知識がなくても本能が「自分が育てられた記憶」を参照にして、育児できるよう脳がプログラムされてるのではないか…と大河原先生の著書には書いてありました。

自分(親)の、赤ちゃん~乳幼児の頃の記憶は、思い出せないだけできちんと頭に記憶されてるらしいんです。本能レベルの思い出しなので、いわゆる通常の思い出(記憶イメージ)が出てくるわけではなく、その当時の感情や感覚といったものが無意識に刺激されるのです。

 

端的にいえば、育児=本能が働きやすい=感情がセーブしにくいといえるかもしれません。

動物としての本能的行動が働きやすくなるので、理性的な人間としてのブレーキが鈍くなってしまうと考えると、納得がいきます。

育児をしてると、涙が出やすくなったり、ちょっとしたことでイラッとしやすくなりますよね。ホルモンの問題と言われることもありますが、動物的な防衛本能が生存を優先して、脳が身体に危険信号を伝えてホルモンを出してると思うと腑に落ちます。

 

 

子どもの「イヤ」が親のトラウマを刺激する?

で、問題はその「自分が育てられた記憶」です。

この記憶を本能が、無意識レベルで思い出すので、泣いて放置されていたり、強いしつけをされた場合、わが子の「イヤ」の一言でぐわーっと当時のネガティブな感覚や感情が沸き起こってしまう仕組みらしいのです。記憶は思い出せなくても、本能は感覚を覚えてるんですね。

頭(理性、ブレーキ)ではわかってても、生存欲求としての本能(感覚、アクセル)が優先されてしまうというカラクリです。

なので「イヤ」に理性が働かず、ついカーッとなる…とのことで、この理論を知った私はそれまでモヤモヤしていたことが妙にスッキリしました。

 

理性が働かない本能的な領域なので、トラウマ体験のフラッシュバックのように「私は大切に育てられなかった、つらかった」という、生死や身の安全に関わる気持ちにひっぱられてしまう。

親に育児放棄されたパンダなど動物が育児できないことも同じ仕組みらしいです。育児放棄とまではいかずとも、今の親世代は核家族化と男性の長時間労働が進んでワンオペ育児の初期にあたる世代なので、余裕がなく放っておかれたり場当たり的な対応で育ってきた人も多いはず。(時代背景もあると思いますが)

つまり何が言いたいかというと、そういった「小さい頃の悲しい思い出」が刺激された状態でわが子のイヤに向き合うのは、簡単なことではないよなあということです。

 

親自身のケアも必要

だからといって、トラウマがあると育児できないのか?ダメな親なのか?という方向には行きません。

どんな親だろうと、どんな育て方をされていたとしても、まずは「今」が大事です。「今」自分の子どもと向き合おう、「今」自分自身とも向き合おうとする姿勢が大事だし素晴らしいと、私は思うからです。

 

じゃあどうすればいいのか、ということですが、この先は親自身のケアが必要になります。

日本だと親になった途端「親であること」を世間から要求されがちですが、親である前に誰でも一人の人間です。子どもの頃のつらかった気持ちを認めて、小さい頃の自分を癒すことができたら、自分の子どもともしっかり向き合えるようになるはずです。

 

自分自身の気持ちを受け止めて、大変だったな、がんばったなと認めることで、少しずつですが気持ちは落ち着いていきます。すぐにとはいかないので、ゆっくりですが…。

育児しながらの作業はキツイですし、自分だけでは無理だなと思ったら、専門機関やカウンセラーさんに頼るのがベストだと思います。信頼できる人を見つけて、少しずつ自分の心を解きほぐしていく作業になります。大変な作業なので、くれぐれも無理しないことが大事です。

このことがわかってから、私はカッとなることも少なくなりました。(少なくなっただけで今もあります。寝不足が特にダメだとわかったので、なるべく寝れる時に寝たりしています)

個人でできる対策として、子どもが「イヤ」と言ったら一緒に小さい自分がいるところをイメージして、二人に向けて「イヤだよね」と受け止めるような感じで対応できるようになりました。

 

これはママだけじゃなくパパにも当然あることだと思います。そして、パパママはもちろんおじいちゃんやおばあちゃんにも。

一人でも多くの方が、楽しく育児に関われるようになることを願っています。長々と読んでいただきありがとうございました。

 

【追記】イヤイヤ期がイヤ!となったパパママ向けの絵本についても記事にしてみました。

イヤイヤ期に疲れた親が癒される絵本【1歳児~2歳児向け】