育児をしていると、絵本を手にする機会も多いと思います。あらゆるシーンで「読み聞かせは大事」「絵本は心の栄養」と聞くことも。
とはいえ、読み聞かせがどうしても苦手!したくない!と思う親御さんもいます。まさに私がそうだったのですが、「どうして私は他のママみたいに読み聞かせをしてあげられないんだろう…」と自分を責めて苦しくなることもありました。
今回は自分の体験を含め、読み聞かせに苦手意識を持つ親御さんに向けた記事になります。体験談が長いので、具体策などが知りたいという方はササっと目次から読み飛ばしてみてください。
もくじ
読み聞かせが苦手だった私
絵本自体は好きだったのですが、読み聞かせに関しては子どもが産まれてから苦手意識を持つようになっていました。
0歳児の頃は、寝不足と疲労で毎日へとへとで、絵本を読む余力がありませんでした。
何冊か読んだことはあるのですが、0歳児はまだ「本を読む」というより「絵本を読む人の声や表情に反応している」という感じ。なので、親が明るく楽しく読まないと!と思い込んだことが苦痛となり、普段無口でローテンションな私はみるみる読み聞かせに苦手意識を感じるようになりました。
赤ちゃんの頃は読み聞かせても大人しく聞いてくれることが少なく、絵本をひっぱたり破いてしまうことも悩みの種でした。絵本の中には図書館で借りてるものもあったので、「破られるから赤ちゃんに本を触られたくない」→なら読まない触らない方が良いのでは…と思うことも。
そういう時、ダイソーで売っている100円絵本が役に立ちました。
ダイソーの「あかちゃんえほん」シリーズ
ただ、ダイソーの絵本は「破られても大丈夫」という物理的理由で買った本だったので、正直なところ内容にはあまり興味が惹かれず…(すみません…)
なんというか0歳児の頃は、絵本を買ったり借りたりする→破かれてしまう(大事に読んで欲しい)→苦手意識→100均の絵本を代用→親が内容に興味を持てない→読み聞かせが面倒に感じる…みたいな、負のスパイラル状態って感じでした。
1歳前後になると言葉も少し通じるようになり、絵本を破ることは少なくなりました。逆に絵本の内容がわかってきて繰り返し何度も読むことを要求されるようになり、「また?もう無理、飽きたから読み聞かせたくない」という方向に変化。
気が短い性格もあったと思いますが、そもそも同じことを繰り返すことが苦手でした。「なんで一回でわからないんだろう。何回も言わせないでほしい…」と心の中で思うこともありました。たぶん自分が小さい頃、誰かに言われたことを思い出すとかそんな感じで、自分の中に「繰り返すこと=不快な行為」という認識があったのかもしれません。今思うとただの思い込みだと客観的に思えるんですけど、当時は気づく余裕もなく…。
だんだん、他のママさんが「毎日読み聞かせしてる」「この絵本がお気に入りで~」と話しているのを聞くと、思わずウッ!と閉塞感を感じるほどに。
これはあるあるかもですが、自分の中に「理想の母親像=読み聞かせを子どもが望むまま何度もしてあげる」みたいな先入観があって、勝手に比べて劣等感を感じていたんだと思います。
「私はあのママさんみたいに繰り返し何度も絵本を読んであげられない…ダメな母親だ…」みたいな感じです。
読み聞かせがつらいと感じる背景
親が絵本を楽しめない主な理由
読み聞かせが苦痛じゃない人からするとナゾかもしれませんが、読み聞かせが苦手なのには理由があります。
理由を知ることで「なるほど!」と腑に落ちることもあるかもしれないので、以下書き連ねてみますね。
義務感が重い
育児における絵本って、なんかもう必須というか必然のように感じます。読み聞かせはしてあげるのが当たり前で、しないなんて親としてありえない!子どもがかわいそう!と思われている方も多かれ少なかれいるんですよね。
読む時も「まずはお母さんが本を楽しんで。明るく楽しく元気よく、抑揚をつけてとにかく楽しく」的な、なんかこうポジティブさを求められる感覚があります。思い込みかもですが…。
いちばんつらいのが、「読み聞かせは絶対にすべき!」とか「読み聞かせしないと子どもの発育に悪い影響が…」みたいな、圧力を感じる価値観です。こういうのは半ば脅しに近いですし、親を追い詰めることになるので良くないです。
「親はこうすべき」「◎◎しない親はダメ!」と言われたら、育児を楽しむどころか苦痛になると思うんですよね。個人的にはむしろ、そんな風に誰かを責めたり追い詰める考え方の方がダメというか、精神的によくないと思うのです。
繰り返しが苦痛
絵本を読んで子どもが気に入ったら、高確率で繰り返しを要求されます。子どものツボって本当に大人からするとナゾだし、親子でもやはり別の人間なので興味のツボが違うことも多々あります。
親がもういいやと思ったことでも、子どもが「もっともっと!」と求めてくるときがつらいですよね。「まだやるの?もういいじゃん…」と言ったことは何度もあります。本当によくある。
繰り返すことに嫌悪感を感じたり、どうしても苦痛に感じてしまうときは、「繰り返す」行為に何らかの苦手意識がある場合があります。
私の場合がまさにこれで、その原因は上に書きましたが、過去に自分が繰り返し何らかのお願いをした時に相手にウンザリされて怒られた経験です。「繰り返し」に関してネガティブな記憶があると、子どもから繰り返しを要求されたときに当時の感覚を思い出してウワーとなってしまうという流れです。
このあたりに関してはよかったら過去記事をどうぞ。
イヤイヤ期でイライラ!怒鳴ったり、うざいと思ってしまった時の対処法
本自体に苦手意識がある
他にも、本や文章、「声を出して読むこと」に苦手意識を持っている場合もあります。
国語が苦手だったとか、音読の授業でイヤなことがあったとか、悲しい本を読んでしまったとか、そういう経験があるとなかなか絵本自体に親しみを感じることは難しいと思います。
このあたりはまた後述しますが、いくら絵本が大事といっても必須じゃないんですよね。苦手意識がある人もいるのは当然です。
子どもが絵本に興味がない状況も
もう一つ大きな理由に、「そもそも読み聞かせができない、聞いていないケース」もあります。
子どもに期待してはいけないと思いつつ、せっかく読んでも聞いてもらえないとやっぱりどこかでがっかりしてしまいますよね。それは仕方がないことだと思います。聞いてもらえずスルーされても平気なのは、お給料が出る仕事をしているときか、街頭演説をしている政治家くらいかと…
子どもが絵本をどんどんめくっていったり破いてしまったりして「物理的に絵本が読めない」状況もあります。ストーリーより本の構造や紙に好奇心があるタイプの子だと、まず目の前の知的興味の方が優先されるので、ストーリーにまで興味がいかないですよね。
他にも「読み聞かせても反応しない、興味がないタイプ」の子もいます。この場合だと読み聞かせする度に無力感を感じてしまうので、親が読み聞かせを苦手に感じてしまうのも無理ないです。
読み聞かせはしなきゃダメ?
読み聞かせが苦手な理由を書き連ねてみましたが、そんな風に苦手意識を持っているものでも克服しなければいけないのでしょうか?
個人的には全然そんなことないと思いますし、パパママが「読み聞かせはイヤ、したくない」と苦痛に感じるなら、しなくていいものだと思います。
これは私が常日頃思っていることなんですが、育児って「親が無理をすると子どもにも伝わって、結果的に親子共々つらくなる」みたいなところありませんか?
健康食品やサプリじゃないですけど、いくら誰かがあれが良いこれが良いと勧められても、当事者が良いと思えなかったら良い効果は得られないというか…。合う合わないがあるというか性格とか体質というか、なんというか人によるんですよね。
なので、つまるところ親子が何かを一緒に楽しめるものがあれば良いのでは?と思います。読み聞かせ以外にも、楽しいことはたくさんあるし、親子の時間を楽しいと思えるならそれがいちばんです。
将来読書しない子になるとは限らない
よく読み聞かせの効果について書かれた冊子などで、「本を読んであげないと将来子どもが…」みたいな脅しがあったりします。これは、そんなことはない!と主張したいです。
かくいう私、親に絵本を読んでもらった記憶がありません。物心ついてから自分で本を読んでいた記憶ならあるんですが、親に読み聞かせしてもらった記憶が本当にないのです。親の性格を考えても、たぶんしてなかったはず。
ですが、本を読む機会って家庭だけじゃないんですよね。保育園、幼稚園、学校、地域の集まりなど、読み聞かせをしてもらう機会は実は家庭以外でもたくさんあります。
そこで「絵本っていいな」と思えたら本が好きな子になるかもしれないし、もし本が好きにならなくても、運動や音楽など別の楽しみを見つけられたらOKだと思います。
読み聞かせだけが育児じゃないですし、読み聞かせしないから何かが悪化するとかはないと思います。どちらかというと、「読み聞かせができない親ってちょっと…」という偏見の方がメンタルが悪化すると思うので、読み聞かせがすべてじゃないと思えると視点がだいぶ変わるのではないでしょうか。
読み聞かせが好きになるまで
読み聞かせがとにかくイヤだった私ですが、今はわりと楽しめるようになりました。
対処法(対策)というかきっかけは、子どもではなく親自身が好きになる絵本ができたからでした。
何か一緒に楽しめる本を…と、小さい頃に読んでいた絵本を思い出し、いくつか購入してみました。これにより、「自分が好きな絵本だから、読みたい」と思えるようになり、親子で楽しめる本も増えてきました。
大人気のこぐまちゃん絵本も小さい頃はまったく読んだことがなかったのですが、読み始めると可愛くて楽しくて、大人でもワクワクできる絵本だと気づきました。むしろ最近は親の方がハマっています。
こぐまちゃん、くまのがっこう、ペネロペ、おさるのジョージ、ノンタン、ミッフィーちゃん、ノラネコぐんだんなど、カワイイと思う絵本があればそこから入ると楽しいかもしれません。
あとは、0歳児の頃の赤ちゃん絵本が比較的「音やリズムや動き」を楽しむものに対して、1歳児2歳児以降の絵本は「絵や物語」を楽しめるようになった、というのも大きかったです。
赤ちゃん絵本ってどちらかというとここ最近の文化というか、ちょっと特殊な絵本です。なので、最近になって従来通りの「絵本の楽しみ方」を思い出せたような気がしています。
あとは、子ども特有の「繰り返し同じものを読まされること」については、ちょっと視点を変えて考えてみることにしました。
人って、楽しいと感じたことを繰り返し求める性質がありますよね。一度何かに「ハマる」と、同じことを繰り返しても全然平気どころか、むしろもっとしたくなる。これは大人も子供も同じだったりします。
つまり「繰り返し」という行為は人間にとって必要な行為で、反復することで色々なことを吸収してるというわけなんですよね。子どもが何度も同じ絵本を要求するのは、「面白い、楽しい」と感じて、脳に良い刺激があるという証拠なのだと思います。
すごいざっくりですが、私は子どもが繰り返しを要求する=成長してると考えるようにしました。「今私は子どもの脳を成長させている!子どもに良いことをしているワ~」と思い込んで充実感を感じられると、苦手な繰り返しもだんだんできるようになりました。
といいつつ限度があるので、同じ絵本を読んでも5回くらいですけど(笑)
それ以上要求されたら「また今度ね~」と別の絵本や別の遊びに持っていくようにしています。
「~すべき」より、「~したい」を優先する
やはり、読み聞かせが苦痛だった頃を思い返すと「読み聞かせしなきゃいけない」と義務感にとらわれていたことがかなり精神的によくなかったと思いました。
仕事とか勉強とかもそうかもしれませんが、「やらなきゃいけない」「~すべき」と思うと全く楽しくないんですよね。義務感が強すぎて。
義務感ではなく、「この絵本を読みたい」「この絵本は楽しそう」とワクワクすることが育児においても大事なのかな、と思いました。
子どもと一緒に楽しめたら何でもいい
つまるところ、読み聞かせじゃなくても、子どもと一緒に何か好きなことが見つかれば何でも良いと思います。
それこそ昔は絵本や手遊びや外遊びばかりだったので「絵本」に着目されがちですが、一緒に楽しめるならEテレでもアニメでも音楽でも何でも良いのでは?と思うんですよ。
親が「これはよくない」と罪悪感でつらくなってるより、「これ面白いよね」と機嫌よく一緒に楽しんでくれる方が、子どもも楽しいと思います。親がつらいと子どももつらくなるので、適度に気を抜きながら育児の楽しみを見つけられたら良いのかなと思います。
長々と読んで頂き、ありがとうございました。
個人的なオススメ絵本の記事はこちら
親子で楽しく読めるおすすめ絵本【1歳児~2歳児向け】 親子で楽しく読めるおすすめ絵本②【1歳児~2歳児向け】 イヤイヤ期に疲れた親が癒される絵本【1歳児~2歳児向け】ミニ絵本がついている雑誌「コドモエ」もオススメです!
kodomoe(コドモエ)8月号のふろくはシリーズ最新「ノラネコぐんだん ケーキをたべる」 親子で楽しめる雑誌「kodomoe(コドモエ)」にワクワクがとまらない!